「回折」(diffraction)現象については，「波」についての章では2.4.4ホイヘンスの原理 の節で，スリットの裏側に波が回りこむ現象，として，円形波で近似しています． このパネルでは，２次元の波でスリットから出た波が実際に回り込んでパネルいっぱいに広がる様子を シミュレートしています．

しかし，円形波で近似できるのはスリットの正面付近であり， スリットから出た波同士の干渉効果によって端の方では干渉縞が現れます．ここでは，条件次第で その様子も見ることができます．反射波の影響を少なくするため吸収端境界条件を選んでください． 周期を短めにすると(端の近似の悪さによって反射波も増えてしまうのですが)， 干渉縞が見えてくると思います．

ずっと後の第７章ではp.164で，$k$空間のスリットの問題を解いています． $k$空間を実空間に読み替えて考えると，ここにある図のパターンが現れていると見ることができます．