1次元の波の反射

「量子の匠」練習帳



前の2つのパネル(波の重ねあわせ1,2)と異なり,ここでは1次元の波動方程式(本書p.34,2.3.4項) \[ \frac{\partial^2 u}{\partial t^2}=s^2\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} \tag{1} \] を数値計算して波の振舞いを調べています.なお,本書内ではバネ鎖から導いたため $u\rightarrow\xi$,$s\rightarrow \kappa/\rho$という記号を使っています.

最初のパネル,「左右へ別れて進む波束」では,ガウス分布形状に盛り上がらせて波束(本書2.6節)を作り,以下の時間発展を 式(1)を数値計算することで追っています. 数値計算の内容は,数値計算解説を御覧ください. 端の条件を固定端と自由端の2種類に取ることができます.ボタンを押すと,シミュレーションが始まります.

次の,「端を正弦波で振動させる」のパネルは,本書2.4.1項の干渉効果,2.4.2項の定在波を見てもらうために 作ったもので,左端を正弦波で強制振動させ,右端の条件を固定端・自由端に取れるようにしています. 今,波の位相速度$s$は,1計算ステップで1点進むようになっており,系の長さは100にとってあります. 従って,「波の周期」に対する100の比が整数になるような場合,定在波的になるはずです. ただし,左端は無理やり正弦波で振動するように境界条件を取ったため,反射波が戻ってきて以降は若干不自然な動きを してしまいます.共鳴条件に合っていない周波数でも一見定在波風の動きを見せますが,振幅が安定せず,小さくなったり 大きくなったりするはずです.

最後のパネルは,左は固定端,右は吸収端になっています. 右に到達した波は消えてしまい,右端から落っこちたか向こうの方へ行ってしまったように見えると思います. えっ?当たり前でつまらない?そうですね.でもね,一般の波でこれを数値計算で実現するのは そう容易ではありません.無反射境界条件,数値計算でググってみてください. じゃあここではどうしているか,というのは,数値計算解説を見てください.